2012年04月04日
ちょうどいい寸法

住まいに関する日々の生活の中で不便だなと感じることがリフォームのきっかけになります。
高すぎる、低すぎる、狭い、広すぎて使いにくい、などがある一方でちょうどいい寸法で納まっていると便利さや快適さは気づきにくいことがよくあります。
悪い部分だけが目立って、良い部分は気づかれない・・・
家を造る側からするとジレンマがありますが
お施主様のため!頑張ります
そもそもちょうどいい寸法って?
画像は有名な建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)がみぞおちの高さ、背の高さ、手を伸ばした高さの3つが黄金比になっていることに着目し考案したモデュロールと呼ばれるものです。
有名な絵(?)なので見たことある方もいると思います。
分かりやすく言うと人間を基準として考えられたものさしです。
なんでもそうですがモノに対して入れ物が決まるのは当然のことで家に当てはまるのも当たり前のこと。
起きて半畳、寝て一畳なんて言葉があるように日本にだってあるんです。
住みやすさを考えているとこんなところまで考えてしまいます。
平面計画上、比率から寸法を割りつけていくのは材料の規格体系や困難でコスト面で難があるため主に高さの計画に生かしています。
ドアハンドルの高さ、スイッチの高さ、階段手すりの位置、ペンダントライトの高さ、腰窓の高さ、収納扉の取手の高さ、特にキッチン廻りは不便さが分かりやすいので作業スペース巾やアイレベル(目の高さ)や背面の収納との距離などもこだわってます。
結果、キリのいい数字(90cmなど)がちょうどいい寸法ではないってこと。
確かに施工する側は分かりやすくて楽ちんです。でも施工は最初の1回だけ、暮らすのは一生です。
どちらが大切なのかは言うまでもありません。
図面ではなく現場打ち合わせでお施主様と決定していきます。
『スイッチはこの高さがいいな、子供も届くしね』
『分かりました。計ってみましょう、116センチですね』
って具合です。
家具を造ったり造作カウンター手洗い器や蛇口のハンドルにこだわるのもベースはコレなんです。
使いやすくて気づかないことに結構なチカラを注いでるんですよ・・・
まぁ当たり前なんですけどね。
おしゃれで、先鋭的で、斬新で、ってのも目を引きますが、最後はやっぱり住みやすさですよ!
Posted by あだちけんせつ at 10:34│Comments(0)
│住宅の設計