2009年08月12日
木工の技術~吸付き桟~
玄関先に置くベンチを造りました
履物を脱いだり履いたりする時にちょっと腰かけたり
お客様とお話をする時に座っていただいたり
ちょっと手荷物を置いたり
いろいろ便利に使えます。
材料は天板(座る面)はスギ。
足の部分はヒノキです。
ここの天板と足をつなげる部分に注目!
ななめに溝をつけて横からスライドしてはめ込んであります。
古くから大工の技術にある『吸付き桟』(スイツキザン)という技法です。
ハッキリ言って手間がかかります。
でもメリットがあるから使うんです
まずこの接合方法なら釘やビスなどは不要です。
座面はなるべく釘やビスがない方がいいですからね。
ビスを埋める方法もありますが栓が見えてしまいます。
もう一つの特徴はこのように桟をつけることで天板の反りやねじれを止めることができるんです。
天然木はその性質上反りやねじれは避けられません。
しかし吸付き桟をいれると反りやねじれを止めることができます。
いまでは少なくなりましたが住宅の工事では
玄関框(かまち)の式台や床の間の地板(床板)などにこの技法が使われていましたが、
近年使用される材料が無垢ではなく合板に切り替わり、このような技術もつかわれる場所がなくなってしまいました。
住宅も短工期化が進み手間のかからない工法、道具、材料がたくさんできてきました。
結果技術は当然磨かれず、職人のやりがい、向上心も育ちません。
このベンチはうちの若い大工が造りました。
このような技術は消えることなく継承していきたいものです。
Posted by あだちけんせつ at 14:01│Comments(2)
│こんなのも作ります!
この記事へのコメント
すばらしい!!職人技に感動です♪
Posted by 大工ちゃん at 2009年08月13日 06:29
ありがとうございます。
他にもいろいろあるんですよ!
それはまたの機会に・・・
他にもいろいろあるんですよ!
それはまたの機会に・・・
Posted by adachi
at 2009年08月17日 08:25
